恩田陸 - 私の家では何も起こらない
なにそれこわい。
- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2010/01/06
- メディア: 単行本
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- 怪奇作家・恩田陸
- 悪意、あるいは善意
- 200ページ程度。気楽に読める。
神聖な場所に建つその一軒家では、惨たらしい事件が幾度も起こった。ある時は赤ん坊が生まれたばかりの夫婦が、あるときは虐待された子供たちが、またあるときは秘められた過去を持つ姉妹が犠牲になった。それでもその家は人を引き付け、また新たな犠牲者を生んでいく。
幽霊が住み、周囲を丘の番人が這い回る家の話。殆ど恐ろしいエピソードばかりである。恐ろしいのは、狂気に陥っている人物に限って、普通の人だったりむしろ好人物として描かれ、帰って狂った面との差が際立ってみえるからかもしれない。
「デジャヴとは幽霊」とか、「小説家は幽霊の体験を書いている」といった持っていき方もなかなか面白いと思った。