ダン・アリエリー - 予想どおりに不合理

不完全な存在としての人間研究。

予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」

予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」

  • 人間は相対的な比較で判断を下す
  • 0円の魔術
  • お金の前ではより正直になる

私のような門外漢には、行動経済学と呼ばれる分野の入門書として非常に面白く読めた。なぜ売れ筋よりかなり高い、明かに売れなさそうな商品がラインナップしてあるのかなど、実際の例を出して解説されていて非常に分かりやすい。
得に興味深かったのは、タダの品物の関する特異性に関する章だ。リッツのトリュフとハーシーのキスチョコを使って割引率と選ばれる割合を調べているのだが、同じ1セント値引きした場合でも、2セントから1セントになった場合て1セントからタダになった場合では、明かに優位性が変わる。人間は持っているものを過大評価するという指摘と併せて考えてみると、経済学的には不合理でも、人間が非常に規則的に行動することが浮かび上がってくる。
他にも様々な実験をやっており、その結果は予想通りなものから全く予想外なものまであった。実験の対象が偏っている気がしないでもないが、まあ目をつぶれないほどでもない。
人を動かす立場にある経営者や行政官にぜひ読んで欲しい。